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サイズアップ根魚大将・2 [製品開発]

根魚大将のベースモデルであるBFスイミーシュリンプはJB TOP50の川又プロの監修品でもあるので、根魚大将のサイズアップ版に関しても自分だけの判断で勝手に開発を進めるわけにはいきませんでした。
「実はソルトの人から要望があって、根魚大将のサイズアップモデルを作りたい」と川又プロに話を持ち掛けたところ、偶然にも川又プロ側からもBFスイミーシュリンプのサイズアップ版が欲しいという要望が出ることになり、意見とタイミングが一致したところで開発を進めることにしたのです。

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デザインのキーポイントは把握していたので理想通りの仕上がりとなっているサンプル品を作り出すのにさほど時間は掛かりませんでした。川又プロと自分がそれぞれに行ったフィールドテストでも共に合格点をつけることが出来た。もう2年前のことです。あとは会社の許可を取り付けて販売へと進めるだけとなった。

が、会社からの発売許可は下りませんでした。その理由としてはバス用ワームの売上不振、ソルトのロックフィッシュ用途に関しては東北市場の震災後の回復度合が不透明、といった理由によるもので、自分としてもそれを覆すだけの反論材料を持ち合わせておらず、結果として頓挫することとなりました。

川又プロと生産工場には事の顛末を説明して詫びを入れました。が、生産工場には1つだけお願いをしました。合格品サンプルの仮型データだけは残しておいてくれと。自分はまだ根魚大将3.4インチの発売を諦めてはいませんでした。

1年以上の時が過ぎた頃、自分は改めて会社内で根魚大将3.4インチの販売を再提案しました。残念ながら、これをバス用として販売した場合に採算が取れるだけの販売が見込めるとは自分自身も判断できませんでした。しかし1年以上もの間、根魚大将2.8インチは着実な販売実績を積み重ねていました。一度仕入れてくれたお店から2度3度と追加注文が入って来る。通信販売をしているお店ではソルトルアー部門の売り上げ上位にその名を連ねていました。この売上実績を前にして、自分の販売提案が却下されることはありませんでした。

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こうして、工場に廃棄しないよう依頼をしていた根魚大将3.4インチのデータはようやく陽の目を見ることになった。

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限られた本数しかなかったサンプルを数名のフィールドテスターに渡した。結果、大型のオオモンハタ、アカハタが連日釣り上げられた(ワームをもっとくれ!と言われて困ったけれど)。そして自分自身もアイナメやソイを釣っている。50cmのアイナメはマグレでしたが出来過ぎだった。根魚大将3.4インチは釣れる。発売を前にして絶対的な自信を持ちました。

今後、スミスはロックフィッシュゲームに力を入れていきます。根魚大将はその幕開けに相当する製品であり、これからもその中心に位置し続ける存在です。ロックフィッシュ用のワームはラインナップを増やしていく予定で、既に何種類かの開発構想があります。強力なアドバイザーになってくれるであろうフィールドテスターの人も新たに採用しました。

スミスは元々、ロックフィッシュ専用ロッドのパイオニアでもありました。ベイライナーボロンを発売した当時、他にロックフィッシュ専用ロッドなんて無かった。しかしその後に新製品の開発が途絶え、震災の影響もあって社内的に判断しかねていたのも事実です。

そもそも自分自身もバスがメインであってロックフィッシュにはさほど興味を持っていませんでした。それが変わったのは震災を機に東北に足を運ぶようになってからのことです。現地の人達が教えてくれたロックフィッシュゲーム。最初はあまり乗り気でなかった。でもハマった!それが今に繋がっているのは何だかとても不思議な気がします。

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サイズアップ根魚大将 [製品開発]

ようやくこの秋に根魚大将3.4インチが発売となります。実はこのワーム、2年前には既にほとんど完成していた。

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カラーや配合物に差異があるものの、海用の根魚大将2.8インチはバス用のBFスイミーシュリンプを海用に転用したものです。同じ金型を用いたワームをバス用と海用で併売したわけです。

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しかし、そのセールスとしては海用である根魚大将の圧勝でした。これはスミスに限ったことではなく、バス用と海用のワームを併売しているメーカーは同じことです。何社かのメーカー関係者に直接聞いた話なので間違いない。バスアングラーである自分としては複雑な心境ですがそういう時代になった。それが現実。

自分はバスへの拘りが人一倍強く、バス用に開発した製品を海用に転用する事に対してはあまり乗り気はしません。「これが釣れる!」ではなく「これでも釣れますよ」というニュアンスをどうしても感じてしまうからです。

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ところが、BFスイミーシュリンプを海で使った人達からの評判がすこぶる良かった。
「是非ソルト用カラーを」「塩は入れなくていいから味や臭いを強くして」といった要望を反映させて製品化したものが根魚大将2.8インチでした。そして根魚大将2.8インチは港湾部でライトロックフィッシュゲームを楽しんでいる人達から絶大な支持を得ていくことになりました。

けれども当然、2.8インチは小型魚向きです。磯やボートロック、ヘビーウェイトシンカーを使うケースにも対応できるサイズアップ版を要望する声が大きくなった。

自分は当初、ロックフィッシュ用のワームとしてはBFスイミーシュリンプをベースにした根魚大将のサイズアップではなく、専用設計(デザイン)を施した製品をラインナップさせたいとの考えを持っていました。が、この考えは根魚大将2.8インチの愛用者の人達から猛反対を受けることになります。

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「あのバランス、あのカタチがいいんだ。形状の黄金比を絶対変えてくれるな!!」
こうした意見を寄せてきた人達には、根魚大将2.8インチだけではなく実はBFシュリンプ3.4インチも使ってもらっていました。彼らが言うには、絶対にボディーはBFシュリンプ3.4インチのものが良いと。

BFシュリンプやBFスイミーシュリンプというのはジグトレーラーとしての用途も考慮してあるため、一般的なロックフィッシュ用のホッグとしては他製品と比較してボディーが短い。これでいいの?
すると、このショートボディーがいいんだとの事。その理由を尋ねてみると・・・

バイト。早アワセ。スッポ抜け。
バイト。少し喰わせの時間を置く。根に潜られる。
技量面では解決策が見出せないこのジレンマを解決させるためにはショートボディーが非常に有効だったと言います。

バイト。早アワセ。フッキング。根に潜られる前に引き剥がす。
確かにショートボディーであればこの理想的な流れを実現できる可能性は上げられるでしょう。

加えて、根魚大将特有のパタパタとはためくようなテールアクションはサイズアップ版でもしっかり再現して欲しいと要望がありました。まぁ、ここまで要望が具体的な方が開発もしやすかったのは事実です。

(つづく)

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ピンピン、ピョンピョン・6 [製品開発]

メバピンピンというふざけた(笑)商品名は、実は私が考えたものです。でも、自分はそれを正式採用するつもりなんてサラサラなかった。

製品自体を開発するのと並行して、パッケージデザインも検討していました。その際、何らかの製品名を入れておかないとイメージしづらかった。メバル用のピンテールワームだからとりあえずメバピンピンでいいや、そういうノリでした。そして本採用する製品名は武田さんに決めてもらえばいいと。

やがて製品名を決めなければならないタイミングになった。武田さん、どうしますか?
「別にメバピンピンでいいじゃないですか」
えーっ!そんなこと言わずに何かいい名前を考えて下さいよ。
「いやホント、メバピンピン、イイと思いますよ」
ということで、メバピンピンに決定(笑)。

それじゃ、ダート系の方はどうします?
「ピンテールがメバピンピンだから、こっちはメバピョンピョンでいいでしょう」
ということで、こちらの名付け親は武田さん。

そんな軽いノリで決めつつも、一応は商標などに問題がないか程度は調べてから採用しています。

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メバピンピンはピンテール系のオールラウンダー。

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メバピョンピョンはジグヘッドタケちゃんと組み合わせると左右にキレよくダートするので、デーゲームにおいてもメバルを誘えます。

この2つのワームに関しては、武田さんが特にこだわったのはカラーリングです。なので、本来のカラーリングを損なうことが無いようエビ粉系のフォーミュラではなく意図的にオイル状のフォーミュラをブレンドさせています。

というわけで、エキスパートの理想をカタチにしたら、出来上がったものは案外王道的なものでした。いずれのワームも特異な形状をしているわけではないですし特殊な素材を使っているわけでもない。

しかしながら、水中で動かしてみると「オッ!」と思えるワームに仕上がっていると思います。それは動きも然り、カラーも然り。武田さん、このワームには相当な自信を持っているようです。是非、メバピンピンとメバピョンピョンの威力を試してみて下さい。ふざけた名前の割には、かなりやりますよ。

【メバピンピン 1.4インチ】

#01 パールグロー/RD(レッド)
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#02 パールグローSF/PK(ピンク)
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#03 パールグローSF/OR(オレンジ)
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#04 オレンジグロー/CR(チャートリュース)
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#05 ナチュラル/GR(グリーン)
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#06 クリアー/RD(レッド)
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#07 クリアー/PKグロー(ピンクグロー)
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#08 クリアーSF/ORグロー(オレンジグロー)
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#09 クリアー/アミ
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#10 クリアーSF/ナチュラル
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・10本入
・¥500+税

【メバピョンピョン 1.3インチ】

#01 パールグロー/RD(レッド)
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#02 パールグローSF/PK(ピンク)
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#03 パールグローSF/OR(オレンジ)
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#04 オレンジグロー/CR(チャートリュース)
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#05 ナチュラル/GR(グリーン)
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#06 クリアー/RD(レッド)
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#07 クリアー/PKグロー(ピンクグロー)
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#08 クリアーSF/ORグロー(オレンジグロー)
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#09 クリアー/アミ
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#10 クリアーSF/ナチュラル
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・10本入
・¥500+税

12月上旬発売予定

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ピンピン、ピョンピョン・5 [製品開発]

現在はメバル釣りも多様化し、尺メバルを狙うような大型志向の釣り人がいるのも事実です。しかしながら、武田さんは都心近郊の激戦区でもちゃんと釣れる製品を、ということを重視しているように思います。

武田さんが良く言う言葉があります。
「メバルが釣れないという人は、ワームと(ジグヘッドの)フックが大き過ぎる」

これには自分自身も同意できる部分があって、標準的なサイズのワームで釣れない魚を釣るためにメバームシャッドというダウンサイジングモデルのワームを設計したということがあります。激戦区で釣りたければ、使いこなせる範囲内でワームもフックも小さくするというのが大事だと武田さんは力説します。自分も同感です。

メバピンピン、メバピョンピョンの開発にはツートンカラーの実現に手間取ったおかげでかなりの時間が掛かってしまいました。開発当初に武田さんに描いてもらったイラストはありましたが、それからだいぶ時間が経過してしまっていたのでデザイン面に関しても再確認を要することとなりました。

すると、基本的な形状自体はさほど変わりませんでしたが、ワームをちぎって短くすることを念頭に置き、スリットを入れることになりました。スリット方式は既に他社製品にも存在しますので目新しいものではありませんし、スリットなどなくともハサミで好き勝手な位置で切ればいいようにも思えます。

しかしながら、適当な位置でちぎるよりも常に同じサイズで統一させやすいのがメリットと言えるでしょう。リブの8節目で切ればいい、なんていうのをいちいち覚えておくのは大変だけれども、1本目のスリットで切ればいい、となると簡単でわかりやすいですよね。

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メバピンピン1.4インチには2個所のスリットを設けることで3段階のサイズ調整が、メバピョンピョン1.3インチには1箇所のスリットを設けることで2段階のサイズ調整を行うことが可能です。メバピンピン1.4インチはジグヘッドのフックサイズが#8~#12(お勧めは#10か#12)の間で調整可能。メバピョンピョン1.3インチは#10ないし#12がマッチします。

(つづく)

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ピンピン、ピョンピョン・4 [製品開発]

せっかく試作段階で完成度の高いところまで仕上がっていながら開発をふりだしに戻すというのはとても残念で勿体ないことだと思えました。半年後には製品を発売できるという目処まで立っていたものがその予定すら無くなってしまうことを意味していたからです。

ただ、生産工場がギブアップしてしまったものを私の力でどうこう出来るというものでもなく、ワームの開発自体が一時ほぼ白紙になってしまいました。

もしツートンカラーを諦め、単色のワームに路線転換したのならば何の問題もなく製品化に漕ぎ着けたことでしょう。でもそれでは武田さんの理想をカタチにするという根本的な部分から外れてしまう。どこかツートンカラーの製造(量産)が出来る工場はないか?あちこち模索する日が続きました。

結果として、これまでの前後2色成型や塗装という手法ではなく、コアショットを用いることで解決を図ることになりました。

コアショットというのは芯に他色を用いた2色成型の事で、最近の技術ではなく、むしろ昔ながらの手法でもあります。バス釣りの世界においては、コアショットというとむしろ「昔のワーム」のイメージが強いのではないでしょうか。ミスターツイスターのコアショットグラブ、そしてスライダーワームにもコアショットカラーが存在しました(私のフェイバリットはスモーク/ゴールドコアでした)。但し、近年の製品にはコアショットカラーというのはほとんど見られません。思い当たるのは昔の製品ばかりです。

しかし、コアショットもまた専用の金型を必要としますし、どこの工場でも生産出来るというものではありません。そりゃ昔ながらのものなのですからアメリカには生産工場が幾つかあるのですが、日本向け(=フタル酸系の可塑剤は使用出来ない)に作ってくれる工場があるかというとそれは非常に難しい。ましてや1インチ台のワームにコアショットというと、精度も必要になる。

今回は台湾の工場でコアショットカラーのメバルワームの生産目途を立てることが出来ました。成型精度、発色の良さ、いずれも高いレベルで製品化することが可能になりました。文章にするとサラリとした内容ですが、工場との折衝にも長い時間を要しました。何度か喧嘩もしましたし。

自分自身はバスアングラーの思考回路ゆえ、今時コアショット?!という少しばかりの抵抗もありました。しかしながら出来上がってきたサンプルカラーを見て納得。武田さんからの要望を具現化させた、メバル用のコアショットカラーというのはバス用のコアショットカラーを見慣れた自分にはむしろ斬新なものにさえ思えました。

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単一なグローカラーというのではなく、コアショットをグローカラーで包み込むグローラップカラー、それとは正反対の、グローコアカラー。ワームの形状的なシルエットとはまた別のシルエットを醸し出す。コアショット技術をこんな方向で活かすなんて、凄い発想だと思いました。

(つづく)

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ピンピン、ピョンピョン・3 [製品開発]

ワームにおける前後のツートンカラーを実現するには何通りかの方法があります。その1つは、専用の金型を必要としますが、前後から金型に素材を流し込む方法です。よくテール部分だけ別色だったり、ハサミの色だけ違うクローワームなどがありますが、まさしくアレです。ちなみに自分はあまり好まない方法でもあります。理由は・・・昔、よくスライダーワームが尻尾の先だけ無くなったから。

それはさておき、早速開発中のメバルワームを前後のツートンにしたものを試作しました。

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一目で、これはないなぁと思いました。美しくない。アメリカのクラッピー用ワームにはありそうな出来ですけど。

テールの先端だけとかハサミの先っぽだけというのならあまり気になりませんが、本体を別色に分けると見た目がどうもチープだなぁと思いました。加えてこの方法、ワームの本体にどうしても金型の素材注入口の跡が残る。バス用のワームならばさほど気にはならないレベルですが、1インチ台のワームにしてみればかなり気になってしまうというのもネックでした。

続いて別の方法でツートンカラーを模索することにしました。次なる方法は「塗装」です。

エーッ、ワームに塗装をするの?!という声が聞こえてきそうですが、これは昔からある手法であり、特別変わった手法という事でもありません。特にアメリカ製のワームの中には、ストライプが入ったものや、シャッドやクラッピーといったベイトフィッシュのプリントが入ったものもあります。軟質素材のものにも塗装は出来るのです。

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スミスの製品で私が開発したものですが、ヴィヴィッドライブのレッドヘッドやイワシカラー(ドット模様)などは塗装によるものです。出来上がりが硬いわけでもありません。柔軟性はそのままです。

で、開発中のメバルのワームも塗装でツートンカラーを再現してみました。まずは、塗料にドブ漬け。

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う~ん、これもやっぱり美しくない。リブも塗装で埋まってしまっていますしね。

そこで、工場に頑張って再試作してもらい、出来上がったきたサンプルがこちらです。

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おぉ!これは良い出来だよ!!これで行こう!!武田さんもこれなら合格という事で、すんなり製品化に進む予定でしたが・・・量産に際し、工場がギブアップ。

これ、プラグの塗装同様にスプレー方式で塗装しているのですがメバルのワームは小さく軽いために、スプレーの風圧に負けてしまって塗装できないということでした。

サンプルの出来栄えが良かったために私も簡単には諦め切れず、工場に何か打開策を練ってくれ、と懇願していたのですが最後は完全ギブアップとなり、開発自体がふりだしに戻ってしまうのでした。

(つづく)

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ピンピン、ピョンピョン・2 [製品開発]

武田栄さんが開発したジグヘッドで「ジグヘッドタケちゃん」という製品があります。これ、バス釣りの人にしてみたらありえないと思います。

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それはこのラージアイ。バス釣りのニュアンスで捉えるならば、まずジグヘッドへはライン直結しかないと思います。そしてジグヘッドのタイイングアイは小さい方がいい。結び目が1点で固定される方が微細なロッドアクションに対するレスポンスが向上するしワームの姿勢も安定する。ましてやこんなに小さいジグヘッド、タイイングアイは小さい方がイイに決まっているじゃないか、と自分は当初思った。

が、風ビュービューの夜の海。季節は年末で気温はおそらく氷点下近い。もちろんヘッドライトはしていたものの、2lbのフロロカーボンラインをジグヘッドのタイイングアイに通すのは、至難の業だった。年齢ゆえの視力の低さはあるにせよ、昼間のバス釣りでジグヘッドにラインを通せないなんてことはありえない。まさかメバル釣りではこんなに難儀するなんて思ってもみなかった。
以降、ラインの先端には極小サイズのスナップを付け、ラージアイのジグヘッドタケちゃんを装着するようになった。

あくまで一例ですが、バスの感覚とソルトゲームの感覚の違いというのを実感した瞬間でした。このような経緯もあり、海用アイテムの開発に関してはなるべくアングラーの意見を尊重し、その具現化に注力しようと思っています。

武田さんとのコラボでワームの開発を進めるにあたり、まずは形状のイメージをイラストで描いてもらいました。2種類を提案したいとのことだったので2種類とも描いてもらった。

なるほど、とは思いましたがどちらも形状的には至ってシンプル。この製品の開発にはさほど時間はかからないだろう、そう思いました。

続いて、このワームで一番こだわりたい部分は何ですか?と聞いた時のことです。「前後のツートンカラーにしたい」と言われた。正直、えぇ?!と思った。

メバームを販売した経験上、メバルのワームで一番売れるのはパールホワイトとグローです。それにピンクが少々。その3色で全体の売上の7割を超える。クリアーとかグリーンとかブラックが必要だという声ももちろんあるので当然ラインナップはします。でも全体の売上比率からすればそれらの比率なんて微々たるもので、実際のところかなり多くの人がグローやパールホワイトばかり多用しているというのが現実です。

正直、売上を考えればツートンカラーよりも単色のグローカラーやパールホワイトの方が売れると思いますし、そもそもツートンカラーがメバル釣りの世界で高い支持があるなんて話、少なくとも自分は聞かない。

ただ、武田さん自身のブランドで販売しているワームにもツートンカラーがあるのは知っていました。きっと武田さんにはツートンカラーである必要性というのがあるのでしょう。よって、自分の見解はさておいて、武田さんの意向を尊重して開発を進めて行くことにしました。

しかしながら、この「ツートンカラー」であることがネックとなり、その開発に時間が掛かったことも事実です。

(つづく)

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ピンピン、ピョンピョン [製品開発]

バス用のワームというのは新旧含めると気の遠くなるような種類が存在します。形状、素材、配合物、比重、カラーと枚挙にいとまがない。ワームというのは研究すればするほど本当に面白い。それは自分自身がワームの開発に関わるようになってからますますその思いが強くなりました。

自分は相当なワームマニアだと自負しています。釣り歴だけは伊達に長いこともあって、海外製品を中心にこれまで相当な種類のワームを使ってきました。今ではもう覚えている人が少ないんじゃないかというような古い製品の中にも、自分的には「オッ!」と感じるものがあったりして、それはしっかりと記憶の中に刻んであるのです。そして、新たにワームの開発を進めていく中で、そうした「とっておき」要素をスパイス的に活かすこともあります。今でも古いワームを多種保有しているのは、そのため。

さて、最近はバス用に留まらず海用のワームの開発も手掛けています。メバル用の「メバーム」シリーズは私が手掛けたものです。初代の「メバーム」「メバームチビ」はフィールドテスターの人の意見をそのまま反映させた製品でしたが、2期目となる「メバームピンテール」「メバームミール」「メバームシャッド」「メバームピンテールロング」は自身がデザインを興しました。

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自分自身、メバル釣りの経験が深いとは言えません。ですのでフィールドテスターや釣り人の意見を良く聞き、その中から求められる要素を見極め、それを最高レベルで実現させたのが2期目のメバームです。そのメバームも発売からだいぶ年月が経ち現在ではカタログ落ちとなっていますが、もし今、新たにワームを自分自身でデザインすることになったとしても、2期目のメバームを超えるものが作れるかどうかはわかりません。それくらい、2期目のメバームは自分の中での最高傑作だと思っているし、釣り人からも評価されたと思っています。

しかしながら、水面下でメバル用ワームの新製品開発も進めていました。

この冬、メバームシリーズとは異なる新しいメバル用のワームを2種類発売します。この製品は私のデザインではなく、超・オットコマエなエキスパートアングラーのアドバイスに基づき開発を進めました。

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そのアングラーとは、大阪在住の武田栄さん。ライトゲーマーなら知らない人はいないでしょう。自らもTAKEDA CRAFTやGo-Phishというブランドを主宰するライトゲーム界のトレンドメーカーです。

今改めて完成した製品を見ると、特別複雑な形状をしているわけではないし特殊な素材を使った訳でもない。大した時間も要さず開発したんじゃないかと思われそうですが、実は2年を要しています。なかなか理想通りの出来に仕上がらず、一度断念したこともある。

そんな苦労の末、ようやく製品化にこぎつけることになりました。それが『メバピンピン』と『メバピョンピョン』。本当にこういう製品名なんです(笑)。

製品名は軽いノリ?ですが開発自体は本気で取り組みました。何せ、武田さんの要望を満たす製品を実現させなければならなかったわけですから、そりゃあもう真剣に取り組みました。

自分の開発ベースにはバス用ワームに関する製品知識や経験があります。しかしながら、ソルトゲームのエキスパートが要望してくる内容や伝えてくるニュアンスというのはバスのそれとは一味違う。それを理解し、製品に反映させるということは難易度の高い作業ではあるのですが、自身にとっては非常に新鮮なものでした。ますますワームの奥深さを知り、ますますワーム造りにのめり込んでいく自分。それにしても「メバピンピン」「メバピョンピョン」の開発は苦労の連続でした。

(つづく)

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攻めのムシ・2 [製品開発]

モッサ1.6インチのサイズアップバージョン2.2インチ。単体での自重は2.6g。フローティングジグヘッドと組むことで自重3.4g程になります。これくらいあれば、おおよそのオーバーハング下を奥まで飛ばすことが出来ますし、ブランチングでもストレスなく真下にスルスル落とせます。

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でも、このサイズ感がインセクトワームとしては限界だと思います。これ以上を望むのならば小型の中空フロッグを探した方がいいと思います。廃盤ですが、もしも店頭にAR-フロッグが売っていたならそれを入手するのがいいと思います。それがなかったら、少しフックがゴツいですけどタイニーポトフかな。もっとも、ここまで来るともう虫の釣りではありませんけど・・・。

こんなことを書いてしまうのも何ですが、実釣テストにおいてモッサの1.6インチと2.2インチを比較すると、圧倒的に1.6インチの方が多くのバイトを得られます。やはりマッチ・ザ・ベイトの釣りはサイズ感が命なのです。しかしながら、1.6インチでは攻め切れない場所もある。そうした場所では、2.2インチを使ってみて下さい。あと、無理にはお勧めしませんがどうしてもベイトフィネスタックルを使いたいという人にもモッサ2.2インチ、これにフローティングジグヘッドを組むことをお勧めします。

モッサ2.2インチは1.6インチの図面をそのまま拡大したわけではありません。アームや脚といったそれぞれのパーツはバランスを考慮しつつそれぞれに設計し直しました。フィールドテストを繰り返した上で、形状も数回作り変えています。1.6インチと比較して、脚はやや太いと感じる人がいるかもしれません。それは2.2インチが用いられるシチュエーションは1.6インチよりもややヘビーな状況を想定し、耐久性も考慮したからです。

脚は細い方が動きはいいです。でもオーバーハング下にバシバシ撃ち込んでいくような釣り、時にはミスして樹木に絡んでしまったりもする。バシバシあおってルアーを外す、外してみたら脚が数本切れていた、そのような状況になるべくならないように考慮しました。もちろん、モッサの良さである14本の脚によるモサモサ感はしっかり継承しています。

リザーバーで、オーバーハング下の奥まで果敢に撃ち込む。平地の水路で、対岸の岸際を攻める。そんな人にはモッサ2.2インチをお勧めします。

言わば「喰わせのモッサ1.6インチ」。それに対して「攻めのモッサ2.2インチ」。そのような認識で間違いありません。モッサ1.6インチ同様、2.2インチもエコタックル認定(Feco)商品ですのでトーナメンターの方も是非お使い下さい。

【モッサ2.2インチ】

・6本入
・¥600+税

・6月発売予定

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攻めのムシ [製品開発]

モッサの開発に着手する際、重視したのはそのサイズ感でした。

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モッサは言うまでもなくインセクト系のワームです。虫を捕食しているバスをターゲットとして想定している。マッチ・ザ・ベイトの法則に則った製品です。

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フライフィッシングの世界ではこの傾向が非常にシビアです。ユスリカを捕食しているようなマスに対しては#18以下のミッジサイズのドライフライが選ばれます。夏季の高水温期になるとマスが大型の陸性昆虫を捕食するようになるので、そうなると#12以上の大型のフライも出番になります。でもフライの経験が無い人から見れば、きっと#12のフライだって充分に小さいじゃないか、と思えるはずです。それでもフライの世界ではNGなのです。

しかしながらミッジサイズのフライは取り扱いが大変です。自分レベルだと、キャストすると小さすぎてどこに浮いているのかさえ見えない(笑)。

マッチ・ザ・ベイトの釣りではそれも致し方ありません。魚が偏食している以上、メインベイトのシルエットやサイズ感にとことん合わせる。それがマッチ・ザ・ベイトの鉄則なのです。

だからモッサのファーストモデル、1.6インチはとにかくサイズ感を重視しました。このサイズならば昆虫類を捕食しているバスが違和感なくためらわずにバイトしてくる。

ただ、取り扱いは少し難しいのも事実です。小さいということは、すなわち軽い。飛距離も出ない。でも、それも仕方のないことです。マッチ・ザ・ベイトの釣りというのは釣り人側の取り扱いやすさよりも魚の嗜好を重視すべきものだからです。

ただ、それに限界があるのも事実です。

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満水のリザーバー。岸辺にはオーバーハングが覆い被さっている。水面と樹木の間に空間はない。オーバーハングの隙間からシェードの奥までルアーを撃ち込まなければいけない。ルアーのサイズが小さい方が喰うのはわかっている。でもそれだと奥まで届かない。こうした場合は奥まで届くことがあくまで大前提となります。サイズ感で喰わなければそれは致し方のないこと。まずは魚の居るところにルアーを届けなければいけない。

そして、最近多用されるブランチング・テクニック。岸辺の樹木の枝などに意図的にラインを引っ掛けてルアーをその真下へスルスルと落とし、チョンチョン誘う。普通の釣りならどうしてもルアーは釣り人側へ寄ってくる。でもブランチングならここぞというピンスポットで延々誘いを掛けられる。技術的には難しい釣りだけれども、これがある程度こなせるようになれば難易度の高い天才級のバスも喰わせられる可能性がアップする。

ただ、ルアーが軽すぎると木の枝からルアーを真下にスルスルと落としづらい。これにはやはり多少の自重が必要になるのです。

だから自分はモッサのサイズアップ版の必要性というのも確かに感じていました。というより、最初期の構想としてモッサは1.6インチと2.2インチの2サイズが私の頭の中にあったのです。2.2インチの発売が一年遅れになったのは、私がルアーテストに相模湖に行く途中で事故ってしまい、車を駄目にしてしまったので少しばかり実釣テストが出来なくなった時期があったから。無理して早急に仕上げるよりは翌シーズン向けにじっくり完成度を高めていくことにしました。この時点では2.2インチの方は完成度もまだまだだったからです。

(つづく)

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